目的:ブランドイメージ戦略の見直しのための情報収集 手法:インターネットリサーチ
案件:保険会社 契約者以外の自社ブランドに対するイメージ調査

目的:会員数増加・会員の退会防止をする新サービスを探る 手法:インターネットリサーチ
案件:通販会社 自社会員リストを利用してアンケートを実施

登録会員に対してWebサイトや情報誌で商品を販売している通販会社などでは、会員数を増加させるため、あるいは既存会員の退会を防止するために、新しいサービスの提供が求められています。
そのためリサーチの目的は、「現状のサービスのどこに魅力を感じているのか」や、逆に「不満を持っているのか」、さらには「望まれるサービスやコンテンツは何か」「他社の利用状況」などを把握することです。
会員がいる場合、まずは、会員リストを元にアンケートを依頼するメールを配信します。そこにはアンケート専用のURLを記載し、簡単に回答できるように準備します。ここで、回答してくれる人にポイントなどをプレゼントして回答数を増やすことも重要です。
Webアンケートでは、すぐに結果が判明します。「独自サービスがない」や「割引などのお得感がない」など、具体的な回答例をあげておけば、その要因を数値やグラフで示すことでき、より分かりやすいデータとなります。
目的:一般消費者から新製品に対する評価を収集 手法:ホームユーステスト(HUT)
案件:サニタリー製品会社 実際に試用してもらった上での評価の収集

ホームユーステスト(HUT)は、「製品を実際のターゲット層に一定期間使用してもらい、その結果や感想を得る」というリサーチ手法で、新製品の開発中によく行われます。実際に使用される現場である“自宅”で、しかも“消費者自身”が行うため、製品が厳しい目にさらされることになり、自社のテストでは気づかなかった点が発見される場合もあります。
このリサーチでは、製品に合わせて適切な「ターゲット」「期間」を指定することが重要です。たとえば、一般家庭用の清掃用品であれば、主たるターゲットは「家族と住んでいる既婚女性」とか「一人暮らしの人」であり、その期間は「1~2週間」です。
質問には「汚れの落ち具合」「使いやすさ」「効果」「価格」などのほかに、「パッケージデザイン」「形状」なども聞くとよいでしょう。
さらに、回答の収集はWebサイトで行うのが主流ですが、同時にスマホ等で撮影した画像を送ってもらい、「利用シーン」や「製品の効果」を見せてもらうこともできます。きっと、製品の開発に参考になるはずです。
目的:新商品の市場の受容性を計る 手法:インターネットリサーチ+グループインタビュー
案件:飲料メーカー 新商品を増やすかどうか、意思決定のためのデータ収集

激しい競争を繰り広げる飲料市場には新商品がどんどん登場してきますが、一方で消えていく商品も多々あるため、一定のシェアを保っている飲料ブランドがある飲料メーカーが同ブランドのラインアップを増やすことがあります。
しかし、やみくもに商品を加えるわけにはいきません。「現行ブランドの市場でのポジション」や「購入実態」を正確に把握し、新商品は「販売中の商品に対する不満を解消したもの」にする必要があるからです。そこでリサーチが大きな意味を持ちます。
たとえば、商品が缶コーヒーだとすると、「味」「内容量」「糖分の量」などはもちろん、「飲む時間帯」や「そのシーン」などの情報も必要です。また、一般的に主要な消費者は男性だと考えられていますが、女性もターゲットとなれば大きなチャンスです。あらためて女性だけのグループインタビューを実施することも検討しましょう。
目的:高品質製品の開発 手法:デプスインタビュー
案件:音響機器メーカー “こだわり派”の求める機能を見出す

日本人のライフスタイルは多様化し、個々の製品に対するニーズもますます細分化しています。単に「高機能」とか「低価格」といった特徴だけではモノは売れません。そのため、音響機器など消費者のこだわりが強い製品では、いわゆるニッチ・マーケット向けの製品も求められており、「音質」はもちろん、「操作性」「機能」「サイズ」「デザイン」など、多くの面に着目して開発する必要があります。
このようなとき行われるのがデプスインタビューです。まずは、「音響製品に関心が高い」「男性」をリクルートします。また、高価格帯の製品であれば「40歳以上」「年収」といった条件も加えます。続いて個々に予備調査を実施し、「音へのこだわり」「機器へのこだわり」などを確認し、選ばれた人に、じっくりとヒヤリングを行うのです。
彼らの意見からは「こだわり派が本当に求めるものが何か」が見えてくるはずです。そして、収集されたデータを参考に生み出される製品は、こだわり派が「欲しい特性・価格」になり、ニッチ・マーケットでも利益を生み出す期待が持てます。
生命保険会社や損害保険会社などは多くの契約者がいて、アンケートや聞き取り調査が可能なため、「契約者からの声」を比較的拾いやすい環境です。しかし、新規契約のためには、「契約者以外の声」も欲しいところです。たとえば、「自社に抱いているブランドイメージ」や「同業他社に抱いているイメージ」が把握できれば、今後のブランド戦略の基礎データとなり、同時に「現在契約している保険会社や契約するための条件」「加入の意向」などを聞き出せれば、営業活動にも役立つでしょう。
そのためリクルーティングは、「加入している人が少ない若年層」とか「子どものいる世帯」など、自社の保険商品のターゲット層で分類しておくとよいでしょう。
結果として、「親しみにくい」などのイメージが強かったとすれば、今後の広告表現は、親しみやすさのアピール、「商品がわかりづらい」となれば、営業マンの教育や営業ツールの改訂などが必要です。こうしたイメージ戦略においてリサーチは特に重要であり、また、定期的に実施することで、実行したブランド戦略活動の効果を見極めることができます。